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おすすめの本

今回は私が冬のお休みの間に読んだ極夜行(角幡唯介著)という本をご紹介させて頂きます。

ノンフィクション本大賞を受賞した作品で時間を作って読もうと構えていた本でした。

『極夜行』は、冒険家であり作家の角幡唯介さんが、太陽が昇らない冬の北極圏を約80日間、ソリを引きながら1頭の犬と歩いた探検記です。

この本と出合ったとき、地球の自転軸が少し傾いていることにより地球上の極地には太陽が沈まない期間である「白夜」が存在し、その逆の期間が「極夜」であること、人間が生きていく上で太陽光を浴びないとビタミンの一種を作ることができないこと、精神的にも悪影響があること、程度の知識を幸いにも持ち合わせていたこともあり、帯に印刷された「ひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た」という文字に一気に惹き込まれました。太陽を見た瞬間に何を感じたのだろうと思いながら手に取ったのを覚えています。

 

様々なアクシデントに見舞われながらの死と隣り合わせのシーンの連続に、死を感じるには程遠く適温に設定された部屋の中に座り込み体感温度を下げながら読み進めました。

探検の途中では苦労して運んだ食料が白熊に食い荒らされ計画が一変する瞬間、食料が無く極夜を共にしてきた愛犬を食べる事になる可能性を感じつつも、その犬の忠誠心を感じながら一緒に探検を進めていく極限の心境がリアルに描かれていました。

体力的にも精神的にも極限状態の中、なぜ人間は暗闇を恐れるのか、人間にとって犬とは何なのか、太陽とは何なのか、といった問いに対する気づきについて書かれた本でした。

 

世界中の様々な景色を4Kで簡単に見ることができる世の中ですが、冷たく暗い世界の風景を文字を通して覗いてみるのは如何でしょうか?

筆者 山口

 

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